インタビューの前は、長年の取材の経験があっても緊張する。相手がきちんと質問に答えてくれるか、機嫌を損ねたりはしないか……心配の種は尽きない。まして、相手が有名人ともなれば、不安はより大きくなるものだ。
しかし、じつは有名人へのインタビューの難易度は意外に高くない。
なぜならば、その人にオファーを受けてもらえた時点で、お互いの利害が一致しているから。こちらとしては、有名人にご登場いただくことで記事を読む人が増え、ひいては売上げアップが見込めるし、あちらとしても、ギャラがもらえる、宣伝になるといったメリットがある(逆にいえば、取材を受けてもらうまでが難しい)。
有名人ならインタビューにも慣れているし、こちらが稚拙な質問をしたとしても、きちんと真意をくんで受け答えをしてくれる場合がほとんど。
なかには偏屈な人もいて、インタビューがやりづらいケースもあるのかもしれない。しかし、私自身は、第一線で活躍している有名人で変な人に出会ったことはない。インタビューであれなんであれ、「仕事がやりにくい」と思わせる人は、生き残っていないのだ。
インタビューはビジネスであり、インタビュアーとインタビュイー(インタビューする相手)は、ビジネスパートナーといえる。相手に対する敬意はもちろん必要だが、過剰に卑屈になることもないわけだ。
相手がどんなに大御所であろうと尻込みせず、「いっしょによいページをつくりましょう」といった意気込みでインタビューに臨めば、良質な記事が生まれ、結果的に両者の利益になるはずだ。
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