プロはリモートワークにモチベーションなんかいらない[在宅勤務のコツ]

オフィスをかまえていないフリーランスは、自宅で仕事をすることが多くなる。あなたは「なかなかモチベーションが上がらない」「プライベートと仕事の切りかえが難しい」「集中力がつづかない」といった悩みを抱えていないだろうか?

もしかしたら、あなたはフリーランスではなくサラリーマンで、リモートワークとして自宅で作業をしているかもしれない。やはり似たような壁にぶつかっているのでは?

〈Gyahun工房〉も作業場は自宅だ。仕事はもちろん、寝起き、映画の視聴、音楽鑑賞、ゲームプレイ、読書など、あらゆる活動をまったくおなじ空間でおこなっている。それでも「やる気が出ない」「オン・オフを切りかえられない」「意識があっちこっちに飛んでしまう」などといった問題とは無縁だ。

具体的にどんな工夫をしているのか?

今回は、プロとしてリモートワーク(在宅勤務)をおこなうための、ちょっとしたコツを紹介してみたい。どれも自分が実践し効果のあるものばかりだ。ぜひ参考にしてほしい。

▲〈工房〉では、プライベートの活動と仕事をまったくおなじ空間でおこなっている。ポイントは〈モード・チェンジ〉にある(くわしくは後述)。

リモートワークに対する〈感情〉ではなく〈行動〉を変える

具体的な実践法を紹介する前に、リモートワークをうまくこなすための“心構え”を語ってみる。それを知っておけば、あなたは自分の状況に合わせて実践法をカスタマイズできるはずだ。

自分の〈行動〉にスポットをあてる

そもそも「モチベーションが上がらない」「切りかえが難しい」「集中力がつづかない」などは〈感情〉の問題だ。みずからの〈感情〉を変えるのは簡単ではない。嫌なのものはどうしたって嫌だし、気分が乗らないのを無理に「乗る」ようにすることも大変な労力を必要とする。

そこで〈感情〉をどうにかしようとするのは早々にあきらめてしまう。発想を転換し、〈感情〉ではなく〈行動〉に焦点をあてて仕事に臨べばいい

〈感情〉は簡単に変えられないが、〈行動〉は自分の意思で変えられる。この原則セオリーをリモートワークに応用するのだ。

行動を〈習慣化〉する

では、どうやって〈行動〉を変えていくのか? キーワードは〈習慣化〉だ。

毎日、決まった時間に決まった〈行動〉をおこなうよう〈習慣化〉してしまう。そこには「なんだかモチベーションが上がらないな」「やる気が出ないな」などといった〈感情〉が入りこむ余地はない。モチベーションが上がろうとどうだろうと、余計なことは考えず粛々とその〈行動〉をおこなえばいいだけだからだ。

「いや、そもそも行動する気が起きないのだが?」と、あなたは反論するだろう。〈行動〉を具体的にどうやって〈習慣化〉すればいいのか? これについては別のブログに書いた記事を参考にしてほしい。

小説を書くのにモチベーションなんかいらない──行動科学マネジメントの実践

ただ、参考のために挙げておいてナンだが、じつはリモートワークための〈行動〉を〈習慣化〉するのは、小説を書くことよりも難しくない。

趣味で小説を執筆する場合とは異なり、仕事は多かれ少なかれ「やらなければならないこと」。趣味のように「やってもやらなくてもいいこと」に取りかかる場合に比べて、仕事の着手には心理的な強制力が働くのだ。

もっといえば、「歯を磨く」「シャワーを浴びる」などの行動はあなたにとって毎日のルーチンワークのはず。「さあ、歯を磨くぞ」などと気合いを入れる必要はないし、「モチベーション」など問題にならないだろう。

リモートワークのための〈行動〉もそんなルーチンワークにしてしまえばいい。つまり、「仕事をする」といった負担のかかる行動ではなく、のちに述べるように「デスクを片づける」のような簡単な行動に置きかえてしまえばいいのだ。

空間の〈モード〉を変える

もうひとつ、リモートワークを上手におこなうためのポイントがある。それは空間の〈モード〉を変えることだ。

なぜ、会社のオフィスでは仕事ができるのに、自宅ではやる気が出なかったり、心理的な抵抗が生まれたりするのか? それは自宅では〈モード〉が切りかわらないからだ。

逆にいえば、〈モード〉が変われば、やる気が出たり心理的な抵抗がなくなったりする。

脳科学の専門家ではないので科学的なエビデンスは提示できないが、自分自身の実体験から述べるなら、自分の“脳”を騙すことはたやすい。「騙されたと思ってやってみて」は古典的な頼みかただが、やってみるとほんとうに脳を騙すことができるのだ。

〈モード〉を変えると、「いまは仕事をする時間なんだな」「これから遊んでもいいんだな」と、脳が勝手に勘違いしてくれる(実際は勘違いではないのだが)

〈Gyahun工房〉が、寝起きしたり映画を観たりするのとおなじ空間でもしっかり仕事ができる理由は、この〈モード・チェンジ〉にある。

ようするに、この〈モード・チェンジ〉を〈習慣化〉してしまえば、リモートワークがうまくいくというわけだ。

リモートワークを〈モード・チェンジ〉で攻略する

▲空間にお布団をしけば「就寝モード」になる。
▲お布団を片づけ、デスクの向きを変えると「仕事モード」に。
▲リクライニングチェアを置けば、簡易なホームシアター環境が完成。映画や音楽を堪能できる。

今回は、リモートワークのコツとして、この〈モード・チェンジ〉の方法を紹介する。いずれも〈Gyahun工房〉が毎日実践しているものだ。

〈モード・チェンジ〉を習慣化してしまえば、なんだかやる気が出ない日、モチベーションが上がらない週明けも、気づいたときには、パソコンに向かいキーボードを叩いている。

もちろん、住宅事情はさまざまだから、ここで述べる方法がすべてあなたに適切とはかぎらない。それでも、多少なりとも参考にしていただければ幸いだ。

1.布団をたたむ

寝室と仕事場を別に用意できるなら、それに越したことはない。だが、ワンルームマンションなど、生活と仕事の空間を分けられない場合はどうする?

〈工房〉はワンルームマンションではないが、寝起きをするのとおなじ空間で仕事をしているのはすでに述べたとおり。そこで、仕事にとりかかる前には寝具を片づけるようにしている。これだけで、けっこう部屋の印象は変わるものだ。

もし、あなたの寝室と仕事部屋がおなじで、なおかつベッドで寝ているなら、布団に切りかえるか、折り畳みベッドの導入を検討するとよいだろう。

ちなみに、〈工房〉では“シエスタ制度”を採用している。昼食のあと、朝片づけた布団をしきなおして〈お昼寝モード〉に変える。“お昼寝”をはさんで午後の仕事に臨むスタイルだ。ただ、人によっては布団で寝ると長時間眠ってしまう危険性があるため、布団で“お昼寝”をするのはおすすめしない。

2.服を着替える

仕事をするときは服を着替えている。これも〈モード・チェンジ〉に有効だ。スーツやネクタイを着こむほどかしこまる必要はない。近所を散歩できるくらいの格好であれば充分に機能する。

たとえば、スウェットのようにビジネスにふさわしくないラフな格好であっても、プライベートの服(パジャマなど)とちがってさえいれば〈モード〉を変えることができる。

3.掃除をする

仕事を始める前にはかならず掃除をしている

あなたは「そこまでやるのは面倒くさい」「週末にしっかり掃除しているから必要ない」と思うかもしれない。だが、これは仕事場をキレイにすることが目的ではないのだ(もちろん、結果的にキレイにはなるが)

掃除をするのは心理学の「作業興奮」という効果を狙っているからだ。作業興奮とは、手足を動かしているうちに自然にやる気がわいてくる作用をいう。

したがって、本腰を入れて掃除する必要はない。デスクの上を片づける、ハンディモップでホコリをはらうなど、ちょっとしたコトでかまわないのだ。

なにも考えず、日課として手足を動かしていると、いつの間にか脳が“仕事モード”になっているから不思議だ。

4.デスクを移動する

〈工房〉のデスクにはキャスターがついており自由に移動させることができる(これは先述の「掃除」の際にも便利だ)プライベートと仕事でデスクの位置を変えることで〈モード・チェンジ〉をおこなっている。

デスクの向きを90度回転させるだけで、意外に気分は変わるものだ。「仕事をするときは窓際」などと決めてしまえば、デスクを窓のほうに動かしただけで、脳は〈仕事モード〉になってくれる。

5.BGMを変える

あなたはパソコンやスマホにイヤフォンをつなぎ、好きな音楽を聴きながら作業をしているかもしれない。

作業の種類ごとにBGMを変えるのも〈モード・チェンジ〉に役立つ。

〈工房〉では、仕事とプライベートでBGMを切りかえるだけでなく、掃除や就寝のときにも専用の音楽をかけるようにしている(現在、7種類の音楽を用意している)

ちなみに、原稿を書くときはあえて音楽を流していない。「BGMなし」もひとつの〈モード〉として機能する。集中力を高めるのにも効果的だ。

6.パソコンを使い分ける

〈モード・チェンジ〉を徹底するなら、プライベートと仕事で、別々のパソコンを用意するのも手だ。

〈工房〉には、iMac(デスクトップパソコン)、MacBook Pro(ノートパソコン)、Windowsのノートパソコンの3台が稼働している。iMacとWindows機はプライベート、MacBook Proは仕事用だ。もっともフリーランスは、プライベートと仕事の境界があいまいになりがちなので、MacBook Proはおもにクライアントワーク用と決めている。

パソコンを複数用意するのは、故障した場合でも仕事をつづけられるようにする“保険”の意味もある。

とはいえ、もしあなたがサラリーマンなら、パソコンを複数用意するのは現実的ではないかもしれない(会社の規定などもあろう)。その場合は、たとえばテーマカラーや壁紙などの設定を仕事とプライベートで使い分けてはいかがだろう。それでも充分に効果がありそうだ。


これからは、フリーランスだけでなく、サラリーマンもオフィスに出勤せず、リモートワーク(在宅勤務)で仕事をする人が増えていくと予想できる。

自宅の作業環境をどう整えるか、重要な課題になっていくはずだ。

今回の記事を、あなたのプロフェッショナルとしてのふるまいに少しでも役立てていただければ幸いだ。

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