〈写る〉と〈映る〉の判断基準がほしい(嘘でもいいから)

写る〉と〈映る〉。キミはどう使い分けているだろうか。辞書には次のようにある。

『写る/映る』は、写真の像/その他の像で、『ネガには明暗が逆に写る/ファインダーには倒立した像が映る』のように使い分ける。

『明鏡国語辞典 第二版』

ボクのアタマはポンコツなので、「ちょっとなにを言ってるのかわからない」。いや、説明の意味はわかるけど、いざ自分が書く段になったら自信がない。自信があろうとなかろうと、どちらかを書かなければいけない。だから、たとえ噓でもいいから判断基準がほしい。そこでボクは次のように考える。

ズバリ、〈写る〉は静止画、〈映る〉は動画。じつに単純明快。

写真は〈写る〉で「写」の字が使われているし、映像は〈映る〉で「映」が用いられている。スマートフォンのカメラで撮影する場合、写真なら〈写る〉で、ビデオなら〈映る〉。「裏のページの文字が表に写る」は静止画だから〈写る〉で、「全身が鏡に映る」は体が動いているから〈映る〉(じっとしていても微かに動いているはず)。心霊写真に現れる幽霊は〈写る〉で、心霊動画なら〈映る〉。日本語の正確な定義はどうあれ、実務ではこれで問題ないはずだ(*注)

*注:『明鏡』の説明にのっとれば、ネガの像は静止画で、ファインダーの像は動いているから(つまり動画)、ボクの判断基準と整合性がとれている。


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この記事は、『Gyahun⑭ コトバ放浪記』に掲載された内容を再構成したものです。

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